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総費用急増でグループホームの未来が変わる!新規参入と資格要件厳格化の最新制度改革案

2025/11/13情報発信

私たち障害福祉の現場で働く者にとって、サービスの「質の向上」と事業の安定」は、いつだって両立させたい重要なテーマですよね。

しかし今、国の社会保障全体、特に障害福祉サービスをめぐる予算の議論が、私たちが想像する以上に私たちの現場の未来を大きく左右しようとしています

国の資料からは、「このままでは制度の土台が持たない」という強い危機感が伝わってきます。

その結果、これまで比較的自由だった障害福祉サービス、特にグループホームに対して、「費用を抑えるための規制サービスの質を上げるための規制」という、2つの大きな波が押し寄せようとしているのです

「規制」と聞くと、身構えてしまうかもしれません。
ですが、この波を正しく理解し、先回りして準備することで、あなたの事業所が国から求められる質の高い事業所として選ばれるチャンスに変えられます。

この記事では、財務省の資料を読み解き、一見難しそうな国の議論が、私たちの現場にどんな影響をもたらすのかを分かりやすく解説します。

ぜひ最後まで読んで、これからの経営戦略にお役立てください。

 

 

 

1.制度の土台を揺るがす「総費用10年で2倍」の衝撃

私たちが提供している障害福祉サービスの総費用額(公費負担+利用者負担)が、この10年間で約2倍(+107%)にまで膨れ上がっていることをご存知でしょうか 。

資料によると、特に2024年度は、前年度に比べて11.3%も費用が急増しており、この伸び率が、国の財政を預かる機関から「このままでは大変なことになる」という強い警鐘を鳴らす最大の理由となっています

では、この増え続ける費用は、主にどこに使われているのでしょうか?

  • 費用増加の主な要因: グループホーム(共同生活援助)など居住支援系サービスの総費用額が伸びに対する寄与度が大きく、事業所数も急増しています
  • 事業所の傾向: 特に費用が増加しているサービスでは、営利法人の参加も大きいという特徴が見られます

現場への影響:サービスの「価格」と「量」が見直される

この急激な費用増加の背景には、制度の構造的な問題があります。

医療や介護と比べて、障害福祉サービスは利用者の方の自己負担割合が非常に少ない(総費用額の約0.3%)のが特徴です

この構造は、利用者の方にとっては大変手厚いものですが、同時に「サービス料金(報酬)の上昇や利用量が増えても、利用者の方がその費用負担の増加を感じにくい」という側面を生んでいます

つまり、サービスの供給側である事業所が増えるほど、総費用額が増加しやすい構造になっているのです

このため、国が今後目指すのは、一貫して「サービスの質を確保しつつ、この費用増加の勢いをどうにか抑制する」という、非常に難しい両立です

この大方針のもと、次のセクションで紹介する具体的な規制・改革案が、グループホームを運営する私たちにとって、最も大きな関心事となるでしょう。

 

2.【現場への影響大】グループホームの未来を変える2つの「規制」

 

費用抑制の議論が進む中で、特にグループホーム(共同生活援助)の事業者に大きな影響を与えそうなのが、以下の2つの改革案です
どちらも、あなたの事業所の「将来的な事業拡大」や「人材採用」に直結する内容です。

 

2-1.総量規制が拡大!グループホームの「新規開設」はどうなる?

現在、障害福祉サービスの一部(生活介護、就労継続支援A型・B型、障害者支援施設など)では、総量規制という仕組みが導入されています。これは、簡単に言えば「地域のサービスの量が、自治体の定める見込み量を上回った場合、新たな事業所の指定を拒否できる」というものです

これまでグループホームはこの総量規制の対象外でしたところが、急増するグループホームの数と質の低下の懸念から、地方自治体の約4割が「グループホームを総量規制の対象に加えるべきだ」と強く要望しています

これが実現すると、どうなるでしょうか?

  • 新規参入のハードルが上がる:自治体が「この地域はもう十分」と判断すれば、新たなグループホームの開設が難しくなります
  • 「質の低い事業者」が淘汰される:安易な参入が増える現状を自治体が規制できるようになるため、「質の高い事業所」が残りやすくなる可能性があります

この規制の波は、事業拡大を考えている方にとっては一見マイナスに感じられるかもしれませんが、地域のサービス全体の質を底上げし、健全な競争環境を築くという点では、むしろ質の高い事業所にとっては追い風となる可能性があります。

 

2-2.管理者・世話人の採用が変わる?「資格要件の厳格化」

もう一つの大きな波は、サービスの「質」そのものに関わる指定基準の厳格化です現在、障害福祉のグループホームの管理者や世話人・生活支援員には、介護保険制度のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)のような資格や実務経験の要件がありませんその結果、現場では「資格や実務経験を持たない従事者が多い(世話人で81%、管理者で44%)」という問題が顕在化しており、これが事故や利用者とのトラブルの原因になっているという指摘があります

国の議論の方向性

介護保険制度を参考に、管理者や世話人、生活支援員に「資格や実務経験、研修修了」などの要件を義務付けるべきという議論が、自治体からの強い意見(「未経験者や適性のない者が配置され、事故やトラブルがあとを絶たない」)も踏まえて進行しています

  • 採用コスト・研修コストの増加:採用時に資格要件が加わることで、即戦力となる人材確保が難しくなり、教育や研修への投資が増える可能性があります。
  • 現場の専門性・地位向上:規制が厳しくなることで、専門知識を持った職員の価値が上がり、結果として職員の給与水準や社会的地位の向上につながる可能性を秘めています

この改革は、単に「規制が増える」ということではなく、「障害福祉のプロフェッショナル」としてのあなたの仕事の価値が、国によって正式に認められ、評価される未来につながる第一歩だと言えるでしょう。

 

3.改革の波を乗りこなす!今、事業者が取るべき具体的な行動

「総量規制」や「資格要件の厳格化」といった国の大きな波は、事業所の経営に直結しますが、恐れる必要はありません。

これらの議論の目的は、一貫して「サービスの質を確保し、制度を持続可能にする」ことです。この目的に沿った対策を今すぐ始めることで、あなたの事業所は地域の競争優位性を確立できます。

 

3-1.サービスの「質」の担保に投資する

「質の確保」は、今後の規制強化の根幹です。

資料では、障害福祉サービスの事業所数が急増する一方で、虐待件数も10年間で約4.5倍に増加しており、特にグループホームでの増加が著しい(全体の約3割)という非常に憂慮すべき実態が示されています。また、都道府県などによる事業所への運営指導(実地指導)の実施率が16.5%と非常に低い、という課題も指摘されています

今すぐできること

  • 自主的な内部監査・研修の徹底: 国の指導を待つのではなく、虐待防止や適切なサービス提供に関する研修を、全職員を対象に定期的に実施・記録しましょう。
  • 第三者評価の活用: 自主的に第三者による評価を受け、サービスの質を客観的に証明する体制を整えましょう。

 

3-2.ICT・テクノロジーで「効率化」を進める

規制によって人件費や運営コストが増える可能性を考えれば、「生産性向上」は避けて通れません国も、ICT機器を活用した人員配置の効率化や、経営の協働化・大規模化を強力に推進すべきとしています

好事例に学ぶべきこと

  • 見守りセンサー・記録システムの導入: 介護の現場では、見守り機器の導入で夜間の巡視時間や排泄介助時間が半減し、業務が効率化された事例があります
  • 経営の効率化: 複数の事業所で医療機器や医薬品などを共同購入するなど、経費削減に向けた取り組みを検討しましょう

「質の向上」と「効率化」を両立させるICT活用こそが、これからの事業継続の生命線になります。

 

3-3.職員の「専門性」を磨き、定着率を高める

前述の通り、管理・世話人への資格要件が導入されれば、有資格者の価値は一気に高まります

今すぐできること

  • 資格取得・研修への投資: 職員が社会福祉士、介護福祉士、または将来的に必須となる可能性のある研修を積極的に受講できるよう、費用や時間の面で支援を強化しましょう
  • 専門性を高めるインセンティブ: 資格取得者や長年の経験を持つ職員に対して、給与や手当で評価する仕組みを導入し、採用競争力を高めましょう。

あなたの事業所が、国の求める「質の高い専門職」が集まる場所となれば、採用面でも他の事業所より優位に立てるはずです。

 

4.まとめ

今回の国の議論は、「障害福祉のプロフェッショナルとして、費用を抑えながら最高のサービスを提供できる事業所だけが生き残る」という未来を示しています。

総費用急増という構造的な課題に直面し、国は今後、総量規制の拡大資格要件の厳格化といった具体的な策を講じてくるでしょう

しかし、これは同時に、利用者やそのご家族が「どの事業所を選べば良いか」を判断する際の基準が明確になるということです。今から「質の担保」「業務の効率化」「人材への投資」を徹底し、この改革の波をチャンスに変えましょう。

 

 

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2025年11月13日
Writer yamane