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令和7年度より「地域連携推進会議」が義務化されます
2025/01/06制度について
居住系サービスである障害者支援施設及び共同生活援助(以下「施設等」という。)において、各事業所で地域の関係者を含む外部の目を入れた「地域連携推進会議」を開催すること及び会議の構成員が事業所を見学する機会を設けることが義務付けられました。
(※令和6年度は努力義務、令和7年度以降は義務。)
1.背景
近年、障害福祉サービスを提供する事業者が増えてきており、支援の質の確保が重要な課題となっています。
令和4年6月に取りまとめられた「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて~社会保障審議会 障害者部会 報告書~」においては、「居住や生活の場であり、運営が閉鎖的になるおそれのあるサービス類型については、地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れることが、事業運営の透明性を高め、一定の質の確保につながるものと考えられ、介護分野の運営推進会議を参考とした仕組みを導入することが有効と考えられる」との指摘がなされました。
また、令和4年 12 月には、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律が公布されました。この改正は、障害者や難病患者等が地域や職場で生きがい・役割を持ち、医療、福祉、雇用等の各分野の支援を受けながら、その人らしく安心して暮らすことができる体制の構築を目指すこととされています。
このため、本人の希望に応じて、施設や病院からの地域移行、その人らしい居宅生活に向けた支援の充実が改正内容に盛り込まれています。本改正内容も踏まえつつ、利用者が地域で暮らしていける仕組みが求められています。
2.会議の目的・役割は?
地域連携推進会議は、施設等と地域が連携することにより、以下4つの目的を達成するための会議体です。
- 利用者と地域との関係づくり
- 地域の人への施設等や利用者に関する理解の促進
- 施設等やサービスの透明性・質の確保
- 利用者の権利擁護
地域連携推進会議は、上記の目的をより効果的かつ確実に達成するため、単に会議体を設置するのみでなく、地域連携推進会議の全ての構成員は訪問者(以下「地域連携推進員」という。)となります。地域連携推進員が施設等を訪問することで、事業運営の現場を直接確認することが可能な仕組みとしています。
施設等にとっては、地域連携推進員から、専門家ではない視点からの気づき等が得られ、上記目的達成の一助となることが期待されています。
3.会議の構成員
会議の構成員は、利用者・利用者家族・地域の関係者・福祉に知見のある人・経営に知見のある人・施設等所在地の市町村担当者などが想定されています。
有意義な意見交換ができる人数として、5名程度が望ましいです。
会議の目的を達成するため、構成員には、利用者・利用者家族・地域の関係者は必ず選出することが必要です。
利用者
意思表示が出来ない利用者の場合には、成年後見人や家族に代理してもらう等の工夫が必要です。また、そうした場合であっても、代理人だけでなく利用者本人にも会議に参加いただくなど、できる限りご本人の意思を丁寧に汲み取りながら会議を運営することが望ましいです。
利用者家族
構成員に選出する家族は、多様な視点を入れるため、利用者とは別の利用者の家族であることが望ましいです。なお、意思表示の代理の家族は利用者本人の代理としての立場ですので、ここでいう利用者家族には該当しません。
なお、利用者家族が施設等の近隣にいない、利用者や施設等と家族との関係が良好でないなど、利用者家族の参加が難しい場合も想定されます。そういった場合は、成年後見人、利用者家族と関わりのある支援者、家族会の会員など、利用者家族の代弁者となり得る立場の方に参加いただくことが望ましいです。
地域の関係者
地域の関係者は、例えば、自治会・町内会などの地域団体の方、民生委員、商店街の方、学校関係者、地域で活動している NPO 法人、地域の障害当事者などが想定されます。
なお、上記の他、日常的な付き合いがある場合もあることから、施設の近隣の住民を選出することも有効です。
福祉に知見のある人
障害福祉サービスの施設等であるため、例えば施設等のある地域で活動されている他の障害福祉サービスの事業者や障害関係の事業を実施している者であれば、障害福祉サービスの知見もあり、有意義なアドバイスなどが期待できます。
他の障害福祉サービスの事業者等が無い場合や協力を得ることが困難な場合には、介護保険のサービスや児童福祉のサービスを運営している事業者、学識経験者、福祉関係の事業を実施している NPO 法人など、客観的または専門的な立場から意見を述べることが出来る人のことを言います。
ただし、地域との連携や、運営の透明性を確保する観点から、同一法人またはその系列法人に所属する者を選任することは望ましくありません。
経営に知見のある人
障害福祉サービス、介護保険サービス、児童福祉施設の運営等の経営に携わっている人や、財務諸表等から経営状況を把握しアドバイス出来る人を想定しています。
施設等所在地の市町村担当者等
施設等の指定は都道府県、指定都市、中核市が行うこととされており、市町村は、支給決定権者であるものの、在宅から施設等へ住まいを移行した後は、当該利用者との関わりが希薄になることも考えられます。市町村職員にも、施設等の利用者や地域のことを知っていただく良い機会ともなるため、所在市町村の障害福祉所管課等の担当者等が地域連携推進会議に参画いただくことは有意義です。
ただし、所在市町村に多数の施設等がある場合等、毎回の参画は難しい場合もあるため、可能な範囲での参画が望まれます。
また、市町村担当者に加え、基幹相談支援センターの職員や市町村(自立支援)協議会の構成員など、市町村担当者以外の公共性のある方に参画いただくこともご検討ください。
4.地域連携推進会議の開催
地域連携推進会議は、最低でも施設等内での会議を年1回以上、施設等への訪問を年1回以上実施することが必要です。
ただし、グループホームは、施設内での会議開催が建物の空間的な都合で難しい場合があるため、グループホーム外の会議室等で開催することも可能です。また、会議は対面実施、訪問は施設等への現地訪問を原則としつつ、構成員の都合等によりオンラインで行うことも可能です。
会議の開催は、指定を受けた事業所単位で開催することが基本ですが、当該事業所が複数の共同生活住居を設置している場合に、全ての共同生活住居に外部の目を入れ透明性を確保することが必要となるため、その共同生活住居ごとに年1回以上、地域連携推進員が訪問する機会を提供する必要があります。
ただし、地域連携推進員が施設等の利用者であり状態像等により訪問が困難な場合、一つの事業所で数十か所の共同生活住居を運営している場合、地域連携推進員の日程確保が困難な場合等においては、全ての地域連携推進員が訪問できないことや、一人の地域連携推進員が複数の共同生活住居を訪問する必要があることも考えられます。その際は、施設等と各地域連携推進員との調整により、地域連携推進員の訪問回数等について柔軟に決めることも可能です。
5.議題の内容と個人情報の取扱い
会議の議題については、目的を達成するための議題を設定することが必要です。また、施設等側からの一方的な報告にならないよう、構成員と双方向で意見交換できる議題が望ましいです。
議題を設定する際、その議題が地域連携推進会議のどの目的を達成するための議題設定なのか、分かりやすくなっていることが重要です。さらに、地域連携推進会議の目的を持続的に達成していくためには、2回目以降の会議を形骸化させないための議題設定も重要です。
【議事次第例】
1.施設等やサービスの透明性・質の確保(40分)
・利用者の日常生活の様子について
・経営状況の報告
・BCP(業務継続計画)の策定状況について
2.施設等と地域との連携(40分)
・障害についてのレクチャー
・近隣からの苦情等の共有
・地域行事のご案内
3.利用者の権利擁護(40分)
・虐待、事故、ヒヤリハットの報告
・支援者の様子
・利用者の意向アンケート結果
また、利用者や利用者の家族の中には、障害があることや、障害福祉サービスを利用していることを地域の方に知られたくないという方もいらっしゃいます。こうした事情を踏まえると、地域連携推進会議を実施する施設等は、利用者や利用者の家族の意向を丁寧に汲み取り、地域とのつながりを望まない利用者の個人情報の保護に留意することが必要です。
個人情報の保護にかかる具体的な留意点は以下の通りです。
1.利用者及び利用者の家族の意向確認
2.構成員における利用者の個人情報の秘密保持
3.会議資料における個人情報の取扱い
6.地域連携推進員の訪問の実施方法
地域連携推進会議の構成員全員が地域連携推進員となり、施設等の訪問を行います。
地域連携推進員は、地域連携推進会議の開催日以外の任意の日程を選択し、施設等と調整を行い、訪問する日を決めることとなります。この時、同日に複数人が訪問することも可能ですが、出来る限り訪問日を分散させるなど、施設の利用者や職員の過度な負担にならないようにする配慮が必要です。
7.開催準備から開催後までの流れ
地域連携推進会議の開催準備から開催後までの流れは以下のと通りです。
(1)構成員の選定
↓
(2)構成員に就任依頼
↓
(3)会議日程調整
↓
(4)会議開催場所の確保
↓
(5)会議の議題検討
↓
(6)会議資料作成
↓
(7)会議開催
↓
(8)議事録作成
↓
(9)議事録・資料公表
地域連携推進会議の実施は施設等の義務となりますが、単なる義務として取り組むのではなく、上記の目的を達成し、より良いサービスの提供や利用者の「地域での暮らし」の推進につなげていく意識を持つことが大切です。
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2025年1月6日
Writer yamane
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