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令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について

2020/12/15制度について

2020年12月11日に障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(厚生労働省)より、「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」が示されました。

主要事項や共同生活援助(障害者グループホーム)に関する報酬改定案をお伝えします。

 

1.障害福祉サービス等報酬改定検討チームとは

障害福祉サービス等に係る報酬について、報酬改定の検討を行うための検討チームで、厚生労働大臣政務官を主査、社会・援護局障害保健福祉部長を副主査とし、その他に有識者がアドバイザーとして参加しており、公開の場で検討を行っています。

 

2.これまでの経緯

令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて、2020年2月より17回にわたって議論を行うとともに、この間に46の関係団体からヒアリングを実施した上で、各サービスの報酬等の在り方について検討を積み重ねてきました。

【これまでの開催実績】

  • 第6回:令和2年2月4日(火) 報酬改定の検討開始、各種調査の検討
  • 第7回:令和2年6月19日(金) 今後の検討の進め方について
  • 第8~12回:7/9・7/16・7/21・7/30・8/7 関係団体ヒアリング
  • 第13回:令和2年8月27日(木) ヒアリングまとめ、主な論点案
  • 第14回:令和2年9月11日(金) 個別検討(共同生活援助、自立生活援助等)
  • 第15回:令和2年9月24日(木) 個別検討(就労系サービス)
  • 第16回:令和2年10月5日(月) 個別検討(障害児通所支援)
  • 第17回:令和2年10月12日(月) 個別検討(障害児入所施設、訪問系サービス)
  • 第18回:令和2年10月21日(水) 個別検討(施設入所支援、生活介護、短期入所等)
  • 第19回:令和2年10月30日(金) 個別検討(計画相談支援、障害児相談支援等)
  • 第20回:令和2年11月12日(木) 経営実調結果等の公表、個別検討(就労系サービス)
  • 第21回:令和2年11月18日(水) 個別検討(共同生活援助、障害児通所支援等)
    感染症や災害への対応、横断的事項(地域区分等)
  • 第22回:令和2年11月27日(金) 横断的事項(人材確保・業務効率化等)
  • 第23回:令和2年12月11日(金) 報酬改定の基本的方向性の整理・取りまとめ

 

上記の障害福祉サービス等報酬改定検討チームの資料や議事録は、厚生労働省ホームページ内にて公開されています。

 

 

3.令和3年度報酬改定の主要事項

これまでの議論を踏まえ、令和3年度報酬改定の基本的な方向性について、以下の主要事項に沿って、基本的な考え方の整理を行った上で、報酬改定の基本的な方向性を取りまとめています。

【報酬改定における主要事項】

  1. 障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等
  2. 効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応
  3. 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
  4. 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
  5. 感染症や災害への対応力の強化等
  6. 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し

 

 

4.共同生活援助に関する報酬改定

「共同生活援助における重度化・高齢化に対応していくための報酬の見直し」として、以下が挙げられています。

 

4-1.重度障害者支援加算の対象者の拡充(強度行動障害を有する者に対する評価)及び医療的ケアが必要な者に対する評価

  • 重度障害者の受入体制を整備するために、重度障害者支援加算(※)について、施設入所支援の重度障害者支援加算(Ⅱ)と同様に、障害支援区分4以上の強度行動障害を有する者を算定対象に加える。

※ 現在、重度障害者等包括支援の対象者(障害支援区分6で意思疎通に著しい困難を有する者のうち一定の要件を満たす者)に限定

  • 短期入所の医療的ケア対応支援加算と同様に、医療的ケアが必要な者に対する評価を行う。

 

4-2.日中サービス支援型等の基本報酬の見直し

  • 日中サービス支援型の基本報酬について、サービス創設の趣旨や手厚い人員体制の有効活用の観点から、重度障害者の受入れのインセンティブが働くよう、現行報酬より重度者と中軽度者の報酬の差を拡大し、メリハリのある報酬体系に見直す。

※ 介護サービス包括型・外部サービス利用型の基本報酬についても、重度障害者に配慮しつつ経営状況を踏まえた見直しを検討。

 

4-3.強度行動障害を有する者の受入れ促進のための体験利用の評価

  • 強度行動障害を有する者が地域移行のためにグループホームにおいて体験利用を行う場合に、強度行動障害支援者養成研修・行動援護従業者養成研修の修了者を配置しているグループホームについては報酬上の評価を行う。

 

4-4.夜間支援等体制加算の見直し

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)について、夜間支援業務の実態を踏まえ、入居者の障害支援区分に応じたメリハリのある加算に見直した上で、入居者の状況に応じた手厚い支援体制の確保や適切な休憩時間の取得ができるよう、住居ごとに常駐の夜勤職員に加えて、事業所単位で夜勤又は宿直の職員を配置し、複数の住居を巡回して入居者を支援する場合には、更なる評価を行う。

 

4-5.重度障害者の個人単位での居宅介護等の利用の特例的取扱いの継続

  • 重度障害者の個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱いについては、重度障害者の受入体制を確保する観点から、引き続き継続する。

 

5.今後のスケジュール

具体的な改定内容については、介護報酬における対応等を踏まえつつ、今後の予算編成過程を経て決定されます。

【今後のスケジュール(予定)】

  • 2020年12月:令和3年度政府予算編成
  • 2021年2月:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定案の取りまとめ
  • 2021年3月:関係告示の改正、通知等の発出
  • 2021年4月:改定後の障害福祉サービス等報酬の適用

 

 

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2020年12月15日
Writer 山崎