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障害者政策委員会で「しょうがい」の表し方を検討 「障害」か「障碍」か

2021/04/08情報発信

2021年3月22日(木)開催の「障害者政策委員会(第54回)」にて、「障害」の表記に関する国語分科会の考え方について示されました。

「しょうがい」の表記方法についてまとめます。

 

1.「しょうがい」をどう表すか?

「しょうがい」の表記ですが、「障害」または「障がい」と表すかは、自治体でも対応がわかれており、さらに「障碍」としたほうがよいという意見もあります。

国会の委員会決議では「碍」の字の常用漢字表への追加を検討していますが、そこでも2つの問題があると指摘されています。

 

 

2.漢字表の漢字選定の問題として(国語施策の観点から)

常用漢字表は、日本語を用いた書き言葉による民主的で円滑なコミュニケーションを実現することを目的としており、社会における漢字使用の実態を反映し、主に出現頻度と造語力(熟語を構成する能力)が高い漢字が採用されてきました。

1つ目の問題は、「碍」を常用漢字表に追加することについて、検討の過程にある課題について周知又は問題提起するために漢字を追加することは、常用漢字表の趣旨と合っていないという点になります。

上記を踏まえ、文化審議会国語分科会は、以下の考えを示しています。

  • 現時点では、常用漢字表への追加を要するような「碍」の使用頻度の高まりや使用状況の広がりが生じていると判断できない。
  •  「障がい者制度改革推進本部」において、当事者が中心となって行われた検討の結果、 見解の一致を見ず、 「法令等における「障害」の表記については、当面、現状の「障害」を用いる」とされている。
  •  これまでにない選定基準によって新たな漢字を常用漢字表に追加することは、国語施策の基本方針に大きな転換をもたらすこととなるため、より慎重な検討が必要となる。

 

 

3.用語の問題として(より広い観点から)

2つ目の問題は、「害の字を人に対して用いることが不適切であるという考え方」があり、この表記を受け入れ難いと感じている人たちがいることを国語分科会として重く受け止めている一方で、「しょうがい」の表記については当事者・関係者の間にも多様な意見があること、また、仏教語に由来する「障碍(しょうげ)」の意味(悟りの障害になるもの)についても留意する必要があるという点になります。

上記を踏まえ、文化審議会国語分科会は、以下の考えを示しています。

  • 現時点では、「しょうがい」を用いる限り、一つの表記をもって合意に至ることは難しい状況にある。
  • 国語分科会はこの課題について、どの漢字を使うかという表記の問題であることに加え、そもそもどのような表現を使うかという用語の問題としての側面があるとも考えている。
  • 当事者とその関係者の意向を反映できる場において、 「しょうがい」を使わない新たな用語に関する議論を行うかどうかも含め検討されることが望ましい。

     

     

    4.今後の対応

    2つの問題とその考えから、今後の対応として以下が示されました。

    • 「碍」については、直ちに常用漢字表に追加することはしないが、国会の委員会決議の趣旨に沿い、常用漢字表における課題の一つと捉え、出現頻度などの使用状況やこの漢字に関する国民の意識を調査するなど、国語施策の観点から引き続き動向を注視していく。
    •  常用漢字表の次の改定が行われる際には、国会の委員会決議が取り上げている観点も参考にしつつ、選定基準の見直しが必要であるかどうか、改めて検討する。
    •  「障害」の表記に関しては当事者を中心とした議論が進むよう期待しながら見守りつつ、国語施策の観点からも用語全般に関する課題を広く解決していくための考え方を整理することができないか検討する。

     

    5.「しょうがい」の捉え方は人によって様々

    今回の議論では、「碍」の常用漢字表への追加は見送られ、今後も継続して検討するということになりました。

    一言に「しょうがい」といっても、人によって捉え方は異なるので、1つの表現に限定するのは難しいのかもしれません。

    また、文字を変えたところで、そもそも差別や偏見がなくならなければ、意味がないという考え方もあります。

    大切なのは、「しょうがい」を持った方々が差別や偏見を受けず、他の方々と共生していく社会をつくっていくことだと思います。

     

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    2021年4月8日
    Writer 山崎