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狂犬病の症状や予防に関する情報まとめ

2020年5月、国内で14年振りに狂犬病が発症しました。

飼い犬には、年1回の狂犬病の予防注射が義務つけられていますが、日本では狂犬病の発症は久しくなく、その具体的な症状もよく知られていません。

ATLIFEは、愛犬と暮らせる障害者グループホームを運営しており、日常的に入居者様やスタッフが犬と触れあう機会も多いため、狂犬病に関する知識も必要です。

そこで、狂犬病の予防方法症状予防接種の受け方について調べてみました。

 

 

1.狂犬病とは

狂犬病は、犬のみならず、人を含めたすべての哺乳類に感染するウイルス性の人獣共通感染症です。

人も動物も発症するとほぼ100%死亡しますが、人では感染後にワクチンを連続して接種(暴露後ワクチン接種)することにより発症を防ぐことができます。

 

1-1.感染経路

主に狂犬病に感染した動物に咬まれ、唾液中に排出されるウイルスが傷口より体内に侵入することにより感染します。

体内に侵入したウイルスは、末梢神経を介して中枢神経組織に達し、そこで大量に増えてさらに各神経組織へ伝わり、唾液腺で増殖します。

狂犬病を発病した人や動物は、咽喉頭の麻痺により唾液を飲み込むことができず、結果としてウイルスは唾液と共に体外に排泄されることになります。

なお、通常は人から人に感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはないとされています。

 

1-2.症状

犬の場合、狂騒型と麻痺型と言われるタイプがあり、狂騒型では、極度に興奮し攻撃的な行動を示します。

また、麻痺型では後半身から前半身に麻痺が拡がり、食物や水が飲み込めなくなり、最後は昏睡状態になって死亡します。

人の場合、強い不安感、一時的な錯乱、水を見ると首の筋肉がけいれんする(恐水症)、冷たい風でも同様にけいれんする(恐風症)、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こります。

その後、呼吸障害等の症状を示し、死亡します。

 

1-3.潜伏期間

潜伏期間は長く一定せず、人は1~3ヶ月程度、犬は2週間~2カ月間程度といわれています。

ただし、人の場合、7年間の潜伏期間のあった例も報告されています。

なお、発症前に感染の有無を診断することはできません。

 

1-4.治療法

発症後の治療法はないため、症状があらわれる前に対応することが重要です。

哺乳動物に咬まれたときには、速やかに病院で受診してください

同時に、狂犬病のおそれのある動物に咬まれたら、傷口を石鹸と水でよく洗い、消毒液で消毒します。

粘膜から感染する可能性があるので、決して傷口を口で吸いださないでください。

医師はWHOが定めた基準に沿ってワクチンの必要性を判断します。

ワクチン接種が必要と判断されたときには、医師の指示に従ってワクチンを接種してください。

接種は複数回を受ける必要があります。

 

 

2.狂犬病予防法の制定

狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断され、人も狂犬病に感染し死亡していました。

このような状況のなか、狂犬病予防法が施行され、犬の登録、予防注射、野犬等の抑留が徹底されるようになり、7年という短期間のうちに狂犬病が撲滅されました。

 

2-1.日本における発症例

日本国内では、人は1956年以降は狂犬病の発生がなく、動物では1957年の猫での狂犬病の発生が最後になります。

輸入症例では、2006年にフィリピンからの帰国者が発症しており、最近では2019年9月頃にフィリピンで犬に咬まれたフィリピン人が、2020年に日本国内で狂犬病を発症しました。

国内での狂犬病の発症は、実に14年振りの出来事です。

 

2-2.日本国外の状況

狂犬病は日本、英国、オーストラリア、ニュージーランド等の一部の国々を除き、全世界に分布しており、海外ではほとんどの国で感染する可能性があります。

専門家によると、年間で推計59,000人が死亡しており、その感染のほとんどがアジア(約37,000人)とアフリカ(約21,500人)で報告されています。

海外では、係留されていない犬、猫、リスなど飼い主の分からない動物には、気軽に近づかないことが重要です。

また、動物に近寄ったり、医療機関のないような地域に行く場合については、事前に狂犬病の予防接種を受けることも検討するとよいでしょう。

 

3.犬の登録・予防注射

狂犬病予防法により、生後90日を経過した犬は、飼い始めてから30日以内に登録が必要です。

狂犬病は全ての哺乳類に感染しますが、人が感染する場合、その感染源となる動物のほとんどは犬であると言われています。

現在、日本国内での狂犬病の発生は見られませんが、万が一日本で狂犬病が発生した場合に迅速な対応をとるためにも、日頃から飼い犬がどこに何頭いるのかを把握しておくのは重要なことです。

また、生後90日を経過した犬は、飼い始めてから30日以内に狂犬病の予防注射を年1回接種することが義務づけられています。

飼い犬に狂犬病の予防注射を接種することで犬でのまん延が予防され、人への被害を防ぐことができ、日本でも万が一狂犬病が侵入した場合に備えて、飼い犬への狂犬病予防注射を義務づけています。

社会に対する責務として、犬の登録と年1回の狂犬病の予防注射を必ず行いましょう。

 

3-1.予防注射の受け方

動物病院、または自治体の集団接種で、狂犬病の予防注射を受けることができます。

それぞれのメリットを紹介します。

 

3-2.動物病院で予防注射を受けるメリット

  • 日程が調整できる

飼い主のスケジュールに合わせて注射の予定が調整できます。

  • 犬の健康状態を確認できる

注射前に体重測定や触診などをお願いすることもできます。

  • 安心感

馴染みの動物病院であれば、飼い犬も落ち着いて受けることができます。

  • 猶予証明書の発行が可能

老齢や病気等の理由があれば「狂犬病予防注射猶予証明書」の発行が可能です。

  • フィラリア予防薬の処方が可能

狂犬病予防注射と一緒にフィラリア予防薬の処方が可能です。

 

3-3.自治体の集団接種で予防注射を受けるメリット

  • 時間がかからない

予防注射の準備がなされているので、待ち時間がほとんどなく注射してもらえます。

  • 手続きが不要

その場で狂犬病予防接種済票がもらえるので、改めて登録に行く必要がありません。

 

4.必要な手続きをチェック

ATLIFE調布では、入居者様が愛犬と一緒に暮らすことができますが、犬の登録狂犬病予防注射は必要です。

どちらも飼い主様の責任で行う必要がありますが、諸手続きで不明な点があれば、スタッフがサポートさせていただきます。

 

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2020年5月27日
Writer 山崎