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成年後見人制度について

2021/01/14制度について

認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等で、判断の能力が不十分な方が利用できる制度として、「成年後見人制度」についてご案内します。

 

1.成年後見人制度とは

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害等によって判断能力が十分ではない方を保護するための制度です。

1999年の民法改正で従来の禁治産制度に代わって制定され、翌2000年に介護保険制度とともに施行されました。

成年後見制度には、法定後見制度任意後見制度の2種類があります。

 

2.法定後見制度

法定後見制度では、既に判断能力が不十分な時に、申立により家庭裁判所によって選任された後見人等が本人に代わって財産管理(不動産・家賃管理を含む)や身上監護(福祉サービスの契約等)に携わり、本人を法的に支援します。

法定後見制度には、後見保佐補助の3類型があります。

2-1.後見

後見は、判断能力が欠けているのが通常の状態の方が対象となり、後見人には、被後見人の財産管理や法律行為を代わりに行う代理権取消権が与えられます。

取消権とは、被後見人が行った法律行為を取り消すことができる権限になります。

 対象者 判断能力が欠けているのが通常の状態の方
 本人の同意 不要
 申立者 本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、未成年後見人、市町村長
 後見人等に与えられる権限 財産管理の代理権、取消権(日常生活に関する行為は除く)
 申立てにより与えられる権限
 本人が失う資格、地位 医師、税理士、会社役員、公務員

 

2-2.保佐

保佐は、日用品等の購入は一人でできるが、たとえば重要な財産行為(不動産売買等)を行う際には、他人の支援があったほうが良い方を対象とします。

保佐人には、被保佐人が行う重要な財産に関する行為について、同意権取消権が与えられます。

 対象者 判断能力が著しく不十分な方
 本人の同意 不要
 申立者 本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、未成年後見人、市町村長
 後見人等に与えられる権限 借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(民法13条1項にあげられる行為)についての同意権、取消権(日常生活に関する行為は除く)
 申立てにより与えられる権限 借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(民法13条1項にあげられる行為)の一部についての同意権、取消権(日常生活に関する行為は除く)
・特定の法律行為についての代理権
 本人が失う資格、地位 医師、税理士、会社役員、公務員

 

2-3.補助

補助は、日用品等の購入は一人でできるが、たとえば重要な財産行為(新築や増改築等)を行う際には、他人の支援があったほうが安心である方を対象とします。

補助人には、被補助人が行う法定に定められた行為(借金、訴訟行為、相続の承認や放棄、新築や増改築等)の一部について、同意権取消権が与えられます。

 対象者 判断能力が不十分な方
 本人の同意 必要
 申立者 本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、未成年後見人、市町村長
 後見人等に与えられる権限
 申立てにより与えられる権限 借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(民法13条1項にあげられる行為)の一部についての同意権、取消権(日常生活に関する行為は除く)
・特定の法律行為についての代理権
 本人が失う資格、地位

 

2-4.手続きの流れ

制度を利用するには、申立者が家庭裁判所に後見開始の申立てを行い、審判を受ける必要があります。

申立てを受けて、裁判所は本人の判断能力を判定し、後見人等を選任しますが、このとき専門家等が必要な場合は複数専任も可能です。

後見人等の監督は家庭裁判所が行いますが、必要に応じて監督人等を選任します。

なお、市町村長が法定後見審判の申立てができるのは、65歳以上の方の福祉をはかるため、特に必要と認める場合のみになります。

2-5.後見人

後見人は、親族後見人と親族以外の第三者後見人があり、司法書士や弁護士、社会福祉士等の専門職が専任されることが増えています。

また、社会福祉協議会、福祉関係の法人、社会福祉法人、NPO法人等も選任されることができます。

今後、さらに高齢化が進み、認知症を発症する方が増えることが予想され、成年後見人制度の利用者の増加が見込まれることから、専門職以外の市民後見人の養成と供給の必要性が挙げられています。

 

3.任意後見制度

任意後見制度は、本人の判断能力が低下する前に、後見人の候補者を選任し、契約する制度です。

当事者間で合意した特定の法律行為についての代理権に基づき、支援が行われます。

任意後見制度には、即効型将来型移行型の3種類があります。

3-1.契約

契約は、公正証書によって行われ、公正証書によらない任意後見契約は無効となります。

公正証書の作成には、以下の費用のほか、本人等に交付する正本等の証書代、登記嘱託書郵送用の切手等が発生します。

 公正証書作成の基本手数料 11,000円
 登記嘱託手数料  1,400円
 登記所に納付する印紙代 2,600円

 

3-2.手続きの流れ

家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、監督人が選任されることで、任意後見が開始されます。

監督人選任の申立てができるのは、本人配偶者4親等内の親族任意後見受任者です。

また、本人以外が申立てを行う場合には、本人の同意が必要です。

3-3.即効型

任意後見契約締結とあわせて、家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てを行い、任意後見をすぐに開始します。

3-4.将来型

本人に判断能力がある時に任意後見契約を締結し、その後、本人の判断能力が不十分となった時に任意後見監督人の選任の申立てを行い、任意後見を開始します。

3-5.移行型

任意後見契約締結と同時に見守り契約(定期的な訪問等を行い見守るという契約)や任意代理契約(財産管理・身上監護に関する委任契約)や死後事務委任契約(死亡時の葬儀等事務に関する委任契約)等を締結します。

本人の判断能力の状態に応じて、見守り契約や委任契約による支援を行い、判断能力の低下後は任意後見契約による支援を行います。

3-6.任意後見人の解任

家庭裁判所は任意後見人から定期的な報告を受け、任意後見人に不正があった場合は、監督人の請求を受けて任意後見人を解約することができます。

3-7.契約の終了

本人が死亡、または任意後見人が死亡・破産した場合、任意後見契約は終了します。

 

4.成年後見制度利用支援事業

成年後見制度利用支援事業は、判断能力が不十分で、かつ、身寄りがない等、親族等による後見等開始の審判の申立てができない方について、市町村長が代わって申立てを行ったり、成年後見制度を利用するにあたって費用を負担することが困難な方に対して、自治体が、審判の申立てにかかる費用及び後見人等への報酬の助成を行う事業になります。

介護保険の地域支援事業(任意)、障害者総合支援事業の地域生活支援事業(必須)ひとつとして実施されています。

なお、成年後見制度を周知するため、2016年に「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(成年後見制度利用促進法)が施行されました。

 

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2021年1月14日
Writer 山崎